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国家公務員総合職・外務省専門職受験へのハードルを 少しでも下げたり、英語 や 多言語化に取り組みたい人へ大きな助けになるブログを目指します。

【国家総合職・外務専門職】時事論文:少子高齢化

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自分も1歳2か月の息子がいるので、子育ての大変さはよくわかります。何が問題なのかを考えていきたいと思います。

問い

少子高齢化が進む中で我が国として最優先で取り組むことは何か。幾つかの具体的施策をあげて、その理由につき述べよ。

(論点)

 (1)  合計特殊出生率

 (2)  要因

 (3)  最優先で取り組むこと

(1) 合計特殊出生率

 一人の女性がその年の出産動向にしたがったときに産むと推定される子どもの数を示す合計特殊出生率の2015年(平成27年)の数値は、1994年(平成6年)以来の最高値となる1.45であったが、諸外国と比べて依然として低い水準にある。日本の人口構造は、高齢化が進む一方で、急速に少子化が進んでおり、2050年には、0歳から14歳までの年少人口は全国民のほぼ一割となると予測されている。

(2)  要因

 こうした少子化が進む要因としては、①女性の社会進出にともなう非婚化や晩婚化が進んでいること、②育児と仕事の両立を可能とする環境が整備されていないこと、③教育費や住宅などが、安心して子育てを進めることの障害となっていることなどが挙げられる。

(3)  最優先で取り組むこと

   こうした少子化への対策としては、子どもの出産は一人ひとりの価値判断に関わる問題であるので、強引な人口施策を採用することは難しく、「子育てしやすい社会づくり」を進めることが基本となる。都市部では、保育園・幼稚園が不足し故郷を離れて転入する住民が増加し、親族に子どもを預けることが出来ない待機児童が増えている。このうち早急に対策を立てる必要があるのは母子家庭である。共働き世帯ではたとえ妻が働けなくても夫の収入があるため生活できないわけではない。しかしシングルマザーは子どもを預けられなければすぐに収入が途絶え貧困に陥ることになる。また、母子がずっと二人きりでいることになり、育児ノイローゼ児童虐待といった問題の要因にもなる。

 具体的な少子化対策としては、①仕事と育児を両立させるため、多様な保育サービスを充実させること、②育児休業制度の拡充など仕事と育児を両立できる雇用環境の整備を働きかけること、③児童手当ての拡充など経済面での施策を充実させること、④小児医療や保健の面での施策を充実させることなどを積極的に進める必要がある。しかしながら、上記②に関連して男性社員の育児休暇推進について、競争原理の働く職場では実現可能性は低く、共働き世帯への支援にはなってもシングルマザーへの支援にはならない。従って、第三者に子どもを預けられる多様な保育サービスを充実させることが必要である。例えば、既存の保育所も、子どもが熱を出したら仕事を休んで迎えに行かなければならず、夜間や休日に預かってもらえる保育所は限られている。このような現状が女性の仕事を大きく制限しているのである。

 このような施策にみられるように、少子化対策は、雇用、福祉、医療、保険、教育、住宅など幅広い分野に関わっており、こうした分野を横断する総合的な施策を展開することが求められている。その意味でも、総合的な施策を進めることができる官公庁が、少子高齢化対策で果たすべき役割は大きい。例えば、夫や親族の力を借りられない母親のために「いつでも子どもを預けられる保育所」を増やすことが必要である。そのために保育施設の設置場所を今よりも柔軟にすることが挙げられる。規制緩和により、園庭や遊具などにこだわらず、ターミナル駅のテナントビルの一画を利用すれば開設も移転も容易となり、住民のニーズに応えやすくなる。また、保育士不足も交通至便のため、既に引退した元保育士や子育て経験のある一般市民や高齢者も参加できるようにすれば補うことができる。

  以上のような改革によって子育てが親の仕事や人生を妨げないものになれば、将来の不安から子どもを持つことができ、結果的に少子高齢化に歯止めをかけることになると考えられる。