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【国家総合職・外務専門職】国際法:在外公館の不可侵(作成中)

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おかげさまで仕事が忙しく、なかなかブログを更新できず・・・。

気を取り直して、国際法の新しいお題へ行きます。

問い

外交使節団の公館および領事機関の公館の不可侵であることについて、最近の事例を挙げつつ、また、外交的庇護権との関連にも触れながら、説明しなさい。

 

論点)

(1)「外交使節団の公館および領事機関の公館の不可侵」の定義

  1)外交関係条約との関係(関連規定)

  2)領事関係条約との関係(関連規定)

(2)「外交的庇護権」と「緊急時の立ち入りの可否」の定義

  1)「外交的庇護権」についての国際司法裁判所の見解

    a) 方励之氏事件(1989年)

    b) ジュリアン・アサンジ氏事件(2012年)

  2)「緊急時の立ち入りの可否」

    a) 在瀋陽総領事館事件(2002年)

(3)結論 

 

それでは、まず論点(1)「外交使節団の公館および領事機関の公館の不可侵」の定義 1)外交関係条約との関係(関連規定)については、外交関係条約第22条1項、第1条(i) です。

2)領事関係条約との関係(関連規定)については、領事関係条約第31条1項・第2項

第31条2項但書、第1条(i)です。

 

 

 

ご参考)

外交関係に関するウィーン条約

第二十二条 1 使節団の公館は、不可侵とする。接受国の官吏は、使節団の長が同意した場合を除くほか、公館に立ち入ることができない。
2 接受国は、侵入又は損壊に対し使節団の公館を保護するため及び公館の安寧の妨害又は公館の威厳の侵害を防止するため適当なすべての措置を執る特別の責務を有する。
3 使節団の公館、公館内にある用具類その他の財産及び使節団の輸送手段は、捜索、徴発、差押え又は強制執行を免除される。

序文

この条約の当事国は、すべての国の国民が古くから外交官の地位を承認してきたことを想起し、国の主権平等、国際の平和及び安全の維持並びに諸国間の友好関係の促進に関する国際連合憲章の目的及び原則に留意し、外交関係並びに外交上の特権及び免除に関する国際条約が、国家組織及び社会制度の相違にかかわらず、諸国間の友好関係の発展に貢献するであろうことを信じ、このような特権及び免除の目的が、個人に利益を与えることにあるのではなく、国を代表する外交使節団の任務の能率的な遂行を確保することにあることを認め、この条約の規定により明示的に規制されていない問題については、引き続き国際慣習法の諸規則によるべきことを確認して、次のとおり協定した。

第一条 この条約の適用上、

(a)「使節団の長」とは、その資格において行動する任務を派遣国により課せられた者をいう。
(b)「使節団の構成員」とは、使節団の長及び使節団の職員をいう。
(c)「使節団の職員」とは、使節団の外交職員、事務及び技術職員並びに役務職員をいう。
(d)「外交職員」とは、使節団の職員で外交官の身分を有するものをいう。
(e)「外交官」とは、使節団の長又は使節団の外交職員をいう。
(f)「事務及び技術職員」とは、使節団の職員で使節団の事務的業務又は技術的業務のために雇用されているものをいう。
(g)「役務職員」とは、使節団の職員で使節団の役務に従事するものをいう。
(h)「個人的使用人」とは、使節団の構成員の家事に従事する者で派遣国が雇用する者でないものをいう。
(i)「使節団の公館」とは、所有者のいかんを問わず、使節団のために使用されている建物又はその一部及びこれに附属する土地(使節団の長の住居であるこれらのものを含む。)をいう。

第四十一条 1 特権及び免除を害することなく、接受国の法令を尊重することは、特権及び免除を享有するすべての者の義務である。それらの者は、また、接受国の国内問題に介入しない義務を有する。
2 派遣国がその使節団に課した接受国を相手方とするすべての公の職務は、接受国の外務省を相手方として、又は接受国の外務省を通じて、行なうものとする。
3 使節団の公館は、この条約、一般国際法の他の規則又は派遣国と接受国との間で効力を有する特別の合意により定める使節団の任務と両立しない方法で使用してはならない。

※ 領事関係に関するウィーン条約

(領事機関の公館の不可侵)
第31条  
1 領事機関の公館は、この条に定める限度において不可侵とする。
2 接受国の当局は、領事機関の長若しくはその指名した者又は派遣国の外交使節団の長の同意がある場合を除くほか、領事機関の公館で専ら領事機関の活動のために使用される部分に立ち入つてはならない。ただし、火災その他迅速な保護措置を必要とする災害の場合には、領事機関の長の同意があつたものとみなす。
3 接受国は、2の規定に従うことを条件として、領事機関の公館を侵入又は損壊から保護するため及び領事機関の安寧の妨害又は領事機関の威厳の侵害を防止するためすべての適当な措置をとる特別の責務を有する。
4 領事機関の公館及びその用具類並びに領事機関の財産及び輸送手段は、国防又は公共事業の目的のためのいかなる形式の徴発からも免除される。この目的のために収用を必要とする場合には、領事任務の遂行の妨げとならないようあらゆる可能な措置がとられるものとし、また、派遣国に対し、迅速、十分かつ有効な補償が行われる。

序文

領事関係に関するウィーン条約をここに公布する。
この条約の締約国は、領事関係が古くから諸国民の間に設定されてきたことを想起し、
国の主権平等、国際の平和及び安全の維持並びに諸国間の友好関係の促進に関する国際連合憲章の目的及び原則に留意し、外交関係及び外交上の免除に関する国際連合の会議が、1961年4月18日に外交関係に関するウィーン条約を採択し、署名のために開放したことを考慮し、領事関係並びに領事上の特権及び免除に関する国際条約も、国(憲法体制及び社会体制のいかんを問わない。)の間の友好関係の発展に貢献することを信じ、
領事上の特権及び免除の目的が、個人に利益を与えることにあるのではなく、領事機関が自国のために行う任務の能率的な遂行を確保することにあることを認め、この条約により明示的に規律されない問題については、引き続き国際慣習法の規則により規律されることを確認して、次のとおり協定した。


第1条(定義)  
1 この条約の適用上、
(a)「領事機関」とは、総領事館、領事館、副領事館又は代理領事事務所をいう。
(b)「領事管轄区域」とは、領事機関について領事任務の遂行のために定められた地域をいう。
(c)「領事機関の長」とは、その資格において行動する責務を有する者をいう。
(d)「領事官」とは、その資格において領事任務を遂行する者(領事機関の長を含む。)をいう。
(e)「事務技術職員」とは、領事機関の事務的業務又は技術的業務のために雇用されている者をいう。
(f)「役務職員」とは、領事機関の役務のために雇用されている者をいう。
(g)「領事機関の構成員」とは、領事官、事務技術職員及び役務職員をいう。
(h)「領事機関の職員」とは、領事機関の長以外の領事官、事務技術職員及び役務職員をいう。
(i)「個人的使用人」とは、専ら領事機関の構成員の個人的な役務のために雇用されている者をいう。
(j)「領事機関の公館」とは、建物又はその一部及びこれに附属する土地であつて、専ら領事機関のために使用されているもの(所有者のいかんを問わない。)をいう。
(k)「領事機関の公文書」には、領事機関に属するすべての書類、文書、通信文、書籍、フィルム、テープ及び登録簿並びに符号及び暗号、索引カード並びにこれらを保護し又は保管するための家具を含む。
2 領事官は、二の種類の者、すなわち、本務領事官及び名誉領事官とする。第2章の規定は、本務領事官を長とする領事機関に適用するものとし、第3章の規定は、名誉領事官を長とする領事機関を規律する。
3 領事機関の構成員であつて接受国の国民であるもの又は接受国に通常居住しているものの地位については、第71条に定める。